パワハラ防止法は2020年6月1日に施行され、同日より大企業では職場のパワーハラスメント防止対策を講じることが義務化されました。また、中小企業は2022年4月1日から義務化が適用されます。
労働施策総合推進法では、職場におけるパワーハラスメントについて、事業主に防止措置を講じることを義務付けています。併せて、事業主に相談したこと等を理由とする不利益取扱いも禁止されています。
全国の労働局などに2018年度に寄せられた職場でのトラブルなど民事上の労働相談のうち、パワーハラスメントなどの「いじめ・嫌がらせ」が8万2797件と相談内容別で7年連続最多!
(平成30年度個別労働紛争解決制度の施行状況)
パワーハラスメントの定義は?
職場におけるパワーハラスメントとは、以下の3つの要素をすべて満たすもの
(1)優越的な関係を背景とした
(2)業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により
(3)就業環境を害すること(身体的若しくは精神的な苦痛を与えること)
※適正な範囲の業務指示や指導についてはパワハラに当たらない
令和2年度「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」(厚生労働省)によると、
・ 調査の回答者(全国の企業・団体に勤務する20~64歳の男女労働者)のうち、約3人に1人(31.4%)が、過去3年間に勤務先でパワハラを一度以上経験したと回答した。
・受けたパワハラの内容としては「精神的な攻撃」(49.5%)が最も多く、次いで「過大な要求」(33.3%)、「個の侵害」(24.0%)が多かった。
・パワハラの行為者としては「上司(役員以外)」(67.9%)が最も多く、次いで「会社の幹部(役員)」(24.7%)が多かった。「同僚」も18.5%あり、行為者は職場上の立場が高いものに限らないことが分かる。
投稿者:特定社会保険労務士 水澤 孝一