社労士のお助けブログ

最低賃金とは?2021年度は過去最大の引き上げへ

最低賃金とは、最低賃金法にもとづいて国が賃金の最低限度を定めたもので、雇用主が労働者に最低限支払わなければならない賃金を定めたものです。2021年度の全国平均は、時給換算で902円から930円となり、いまの制度が始まった1978年度以来、最大の上げ幅となりました。

最低賃金には、都道府県ごと定められた「地域別最低賃金」と、特定の産業の労働者に向けて定められた「特定(産業別)最低賃金」の2種類があります。現在沖縄県では下記のとおりとなっています。(ただし、※については地域別最低賃金に引き上げされます。

沖縄 792 畜産食料品製造業 683(※) H25.12.11
糖類製造業 769(※) H30.11.25
清涼飲料、酒類製造業 686(※) H25.11.23
新聞業 835 R1.11.16
各種商品小売業 770(※) H30.11.23
自動車(新車)小売業 770(※) H30.11.18

従業員と最低賃金額より低い賃金で働くことで同意していても無効となります。最低賃金を下回る場合は、遡って差額を支払う必要があり、支払われない場合は、50万円以下の罰金が科せられます。

ただし、下記の条件にあてはまる場合、都道府県労働局長の許可を受ければ最低賃金の減額が認められます。

【最低賃金の減額】
・精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者
・試の使用期間中の者
・基礎的な技能及び知識を習得させるための職業訓練を受ける者
・軽易な業務に従事する者
・断続的労働に従事する者
詳しい説明、申請書こちら

最低賃金の計算の対象となる賃金

毎月定期的に支払われる賃金で各種手当も含まれます(皆勤手当、通勤手当、家族手当は除く。)が、残業代や賞与は含まれません。

【最低賃金の計算方法】
・時給で支払っている場合・・・時給
・日給で支払っている場合・・・日給÷1日の所定労働時間
・月給で支払っている場合・・・月給÷1カ月平均所定労働時間

最低賃金の改定・引き上げはいつから?

国の中央審議会が47都道府県を分類し、経済状況などに応じてそれぞれ引き上げ額の目安を示した後。この目安を参考に各地方の審議会で引き上げ額を話し合い、10月上旬ごろから新しい最低賃金での運用が始まります。

2021年度の最低賃金の目安

地域別最低賃金は、2015年に政府が「年3%」の引き上げを表明し、引き上げが続いていました。しかし、20年度は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を考慮し、審議会がリーマン・ショックの影響を受けた09年度以来、11年ぶりに目安を示せず、結果的に微増に留まりました。

今年度の沖縄県の引き上げ額は?

今年度は、政府が「新型コロナウイルス禍でも最低賃金を引き上げてきた諸外国の取り組みも参考にして、より早期に全国加重平均1000円とすることをめざす」と表明し全国加重平均を28円引き上げ、930円とする目安をまとめました。沖縄県でも全国平均並みに引き上げされると820円になるかと思います。

沖縄県の最低賃金の変遷

最低賃金額 693円 714円 737円 762円 790円 792円
発行年月日 H27.10.9 H28.10.1 H29.10.1 H30.10.3 H30.10.3 R2.10.3
全国加重平均 798円 823円 848円 874円 901円 902円

最低賃金引き上げに向けての対応策は?

最低賃金の引き上げに向けて、デジタル化やムダな業務の効率化を目指すなど対応を進めて行く必要があります。そこで活用できる助成金として業務改善助成金があります。業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金の引き上げを目的とするものです。
沖縄働き方改革推進支援センターでご相談が可能ですので、是非ご相談ください。

投稿者:社会保険労務士 阿嘉 哲

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